CT画像の活用事例とは

CT画像の活用事例とは

CT画像にはさまざまな活用事例があります。ここではCT画像の具体的な活用事例から、画像を構成する仕組み、測定誤差を及ぼす要因までを詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてください。

構成したCT画像の活用事例

内部欠陥(ボイドやクラック)の検査・解析

産業用CTを活用することで、製品を破壊せずに内部の空洞(ボイド)やひび割れ(クラック)を発見できます。CT画像から欠陥の位置や大きさ、分布を3次元で正確に把握できるため、鋳造部品や樹脂成形品の品質保証や不良解析などの活用事例として幅広く認識されています。

組み立て(アセンブリ)状態の確認

複数の部品から構成される製品において、内部の組み立て状態を非破壊で確認することが可能です。CT画像を用いることで、部品の干渉や組み付け不良、パッキンのズレなどを視覚的に検査でき、不具合の原因究明や製品開発の効率化に貢献します。

CADデータとの比較(形状・寸法測定)

取得したCT画像の3Dデータを、設計時のCADデータと重ね合わせて比較する活用事例もあります。全体の形状誤差をカラーマップで可視化したり、内部の複雑な形状の寸法を測定したりすることが可能です。製品と図面の差異を明確にすることで、金型の修正や製造プロセスの改善に役立てられます。

断層面の変化を動画化

CT画像を時系列に並べることにより、被検物を輪切りにした断層面の変化を動画化することが可能です。1枚の画像では発見できない被検物の問題点を発見しやすくなるメリットがあります。断面動画や3D動画はAVI形式による出力が可能で、MP4などのファイル形式に変換することもできます。

リバースエンジニアリング

リバースエンジニアリングとは、CT画像をもとにして3次元構造を立体的に確認するものです。CT画像を空間的に縦に並べることにより、疑似的な立体模型を作成できます。

寸法測定や体積測定、密度測定などに応用可能です。リバースエンジニアリングを活用した製品と設計図面を比較すれば、 どの程度の精度で製作できたかを比較し、製造工程の改良などに役立てられます。

これらの手法は、自動車部品や電子機器、食品から文化財まで、さまざまな業界の品質向上や研究開発に役立てられています。業界ごとのより具体的な導入事例を知りたい方は、以下のページもあわせてご参照ください。

CT検査で画像を構成する流れ

CT検査で画像を構成する流れ

CT検査で画像を構成する流れは「X線の発生」「X線の検出」「投影データからの画像再構成」の3つのステップがあります。

CT検査では、X線管と呼ばれる装置からX線を発生させています。X線管に電流を流すことにより、陰極にあるタングステンフィラメントから熱電子を放出させ、その熱電子を収束カップに収束して管電圧により加速します。加速させた熱電子を陽極側のターゲットマテリアルに衝突させることで、X線を発生させているのです。

発生させたX線は被写体を挟んで正対位置に設けられたX線検出器により検出されます。CTスキャナは1回の撮影で数百から数千枚の透過像を取得しなくてはいけません。

さらにメガピクセルサイズの高解像度デジタルデータを高速に取得・読み取らなくてはいけないため、X線を微弱な傾向に変換するシンチレータを介して、硬X線検出を可能にしています。

X線は検出器との経路上にある検体に吸収されることにより減衰します。任意点を通過するすべての投影の値を得ることにより、数学的に透過率を求めることが可能です。CTスキャンでは検体全域360度方向からの透過像を取得することにより、検体の3Dデータを構築しています。

CT検査で測定誤差を及ぼす原因

CT検査で測定誤差を及ぼす原因

X線源の温度安定度

X線の周囲や温度変化により、熱による膨張や出力電圧などの変動が起こる温度ドリフトが発生する場合があります。温度ドリフトは照射位置のずれを引き起こすため、これが測定誤差を及ぼす原因となります。

幾何誤差

幾何誤差は、回転テーブルの位置が理想状態からずれることにより起こるものです。寸法のズレの原因となります。

運動誤差

運動誤差は、回転テーブルの回転が指示した通りになっていない場合に発生するものです。3Dモデルの正確性を損なう原因となります。

検出系

検出系の誤差は、位置や姿勢のズレにより生じる投影像のボケやX線検出器間の感度差・ノイズ特性などにより像が不明瞭になったりするものです。X線CTそのものの物理的な要因によって生み出されるため、しっかりとキャリブレーションをする必要があります。

試料物性

試料物性は被検体の特性により引き起こされます。試料が金属の場合、撮影時の条件により二次的にアーチファクトと呼ばれる異常が発生することがあります。アーチファクトにはメタルアーチファクトやリングアーチファクト、ストリーク状アーチファクトなどさまざまな種類があります。

SUMMARYまとめ
CT画像の活用事例と導入へのステップ

産業用CTによって取得されたCT画像は、内部欠陥の解析やアセンブリの確認、CADデータとの比較など、製品開発から品質保証まで幅広い活用事例が存在します。これらのデータを正確に取得・活用するためには、画像を構成する仕組みや測定誤差の原因を正しく理解し、自社の被検物に適した装置を選定することが重要です。

当メディアでは、産業用CTを取り扱うメーカーを独自視点で調査し、ピックアップして紹介しています。導入の検討材料として、こちらも合わせてご確認ください。

導入未定でも大歓迎です。
まずは「どんな風に見えるか」お試しください。

撮影対象物から探す
産業用CT3選
アルミなどの軽金属や
プラスチック成形品など
低密度で透過しやすいなら
NAOMi-CTシリーズ
アールエフ
NAOMi-CTシリーズ
画像引用元:アールエフ公式HP
(https://rfsystemlab.com/product/industry/ct/280_380ct.html)
NAOMi-CT
Mサイズのスペック※2
最大管電圧 100kV
撮影サイズ※1 Φ151×H63~82mm
耐荷量 約10kg
本体サイズ 623×310×300mm
おすすめの理由
卓上サイズでその場で撮影可能
低価格で導入しやすいモデル
  • 卓上サイズ・シンプルな設計により308万円(税込/Mサイズ)と導入しやすい価格。工事をせずに研究室や事務所に設置できる。
  • 簡単な操作でその場で撮影・確認が可能。100kVの管電圧によりアルミ・プラスチック製の商品開発や考古学研究に活躍。
マルチマテリアルや
複雑形状部品など
部分ごとに厚みや材質が異なるなら
ZEISS METROTOMシリーズ
カールツァイス
ZEISS METROTOMシリーズ
画像引用元:カールツァイス公式HP
(https://www.zeiss.co.jp/metrology/systems/x-ray/3d-x-ray/metrotom-800-320-kv.html)
ZEISS METROTOM
1500 225kVのスペック
最大管電圧 225kV
撮影サイズ※1 Φ615×H800mm
耐荷量 50kg
本体サイズ 3700×1810×2440mm
おすすめの理由
測定に特化した設計で
精密なCTスキャンができる
  • 測定室・品質管理室での運用を想定。密度が高めの異材質混在部品や精密部品の品質保証に特化。
  • 三次元測定やCADとの連携により、寸法・形状・幾何公差を測定が可能で、不具合の特定や開発期間の短縮につながる。
厚物金属や
溶接構造部品など
高密度で透過しにくいなら
UXシリーズ
コメットテクノロジーズ・ジャパン
UXシリーズ
画像引用元:コメットテクノロジーズ・ジャパン公式HP
(https://yxlon.comet.tech/ja/products-ja/ux50)
UX50のスペック
最大管電圧 450kV
撮影サイズ※1 Φ600×H800mm
耐荷量 100kg
本体サイズ 2250×1770×2350mm
おすすめの理由
高出力・撮影可能範囲が広く
大型・高密度のワーク撮影に強い
  • 工場内や検査エリアで扱われる大型・高密度な鋳物部品や厚肉構造物に対し、高電圧による高い透過力で内部撮影が可能。
  • 広い視野で大型のワークでも全体を一度に把握することができ、欠陥の位置関係の把握や厚肉・高密度部の状態確認に対応。

電話番号は公式サイトに記載がありません

※1:撮影サイズについては、NAOMi-CT・UX50は「最大スキャンサイズ」、ZEISS METROTOMは「精度保証条件下での測定範囲」を掲載しています。
※数値はいずれも撮影・測定条件により変動しますので、詳しくは各社にお問い合わせください。
※2:NAOMi-CTは、Mサイズ、Lサイズ、スライドLの3種類があります。