
X線の焦点サイズとは、スキャンする時のX線の光源の大きさのことをいいます。通常、焦点サイズが大きくなるほど、画像のボケが大きくなり、焦点サイズが小さいほど、鮮やかな画像が得られます。ここでは、焦点サイズについて、分かりやすく説明しています。
X線が発生する箇所をX線焦点といい、スキャンする時のX線の光源の大きさのことをいいます。X線はX線焦点より一定の角度で放射状に照射されますが、X線の焦点が大きいと、被写体にさまざまな角度から入射することになるため、X線検出器に入射する際に面積が大きくなってしまい、輪郭がぼやけてしまいます。これが、「ボケ」です。
X線の焦点が小さければ、X線の照射される方向は、限られるため、X線検出器に投影される画像は、輪郭がはっきりしたものを得ることができます。被写体をX線の焦点に近付ければ近付けるほど、倍率は高くなるのですが、焦点サイズが大きいと、逆にボケが大きくなります。拡大して、被写体の詳細な構造を確認したい場合は、X線の焦点サイズが小さくなければなりません。
X線の焦点サイズを小さくすると、倍率を上げなくても、解像度の高い画像を得ることができます。そのため、ミニフォーカスX線として使う場合でもより高い解像度が得られますし、X線CTとしても分解能の高い3Dイメージを作成することが可能となります。
X線の管電圧を上げるには、焦点サイズも大きくする必要があるため、透過力と解像度は反比例の関係になっています。
X線の焦点サイズが1mm程度のX線管です。ミリフォーカスX線管を使用した装置は、拡大率(倍率)は5倍以下で使用します。医療機関のX線撮影で用いられています。
X線の焦点サイズが100µmから1mm程度のX線管です。マイクロフォーカスよりも低倍率の拡大撮影をする場合に使用します。拡大率は10倍程度まで拡大可能です。
X線の焦点サイズが10µm以下のX線管です。拡大撮影しても鮮明な画像が得られるため、電子部品などの微細な検査に使用します。最大拡大率が10倍から100倍まで拡大可能です。
X線の焦点サイズが1µm以下のX線管です。主に開放型のX線管で実用化されています。
CT検査において、焦点サイズは画像の鮮明さを左右する極めて重要な要素です。X線は完全な「点」からではなく、一定の面積を持った「面」から放射されます。そのため、焦点にある程度の大きさがあることで、X線が被写体に対して複数の異なる角度から入射し、検出器に投影される影の境界部分にボケ(半影)が生じます。
このボケ現象は幾何学的不鮮明さと呼ばれ、焦点サイズが大きいほど、また被写体をX線源に近づけて拡大率を上げるほど顕著になります。微小なクラック(ひび割れ)や巣(空洞)といった欠陥を正確に特定するためには、焦点サイズを小さく抑え、幾何学的不鮮明さを低減させることが求められます。
焦点サイズを小さくすれば解像度は向上しますが、無制限に小さくできるわけではありません。焦点に電子ビームを当ててX線を発生させる際、多くのエネルギーが熱に変換されます。焦点を絞りすぎるとターゲットが熱で溶解してしまうため、焦点サイズが小さい装置は高い出力(管電圧)をかけることが難しくなります。
したがって、「観察したい欠陥の小ささ(解像度)」と「被写体を透過する力(管電圧)」のバランスを考慮して装置を選ぶ必要があります。対象物の材質や厚みに対してどれくらいの管電圧が必要になるのか、具体的な目安については以下の記事で解説しています。
産業分野においては、焦点サイズが異なる多種多様なX線管が用途に応じて使い分けられています。電子基板などの微細な検査にはマイクロフォーカスが、アルミダイカストなどの大型部品にはミニフォーカスが選ばれる傾向にあります。
焦点サイズへの理解を深めることは、自社の検査目的に適した装置を見極める第一歩です。X線を用いた非破壊検査にはさまざまな手法や装置が存在するため、それぞれの特徴を把握しておくことで、より確実な品質管理体制の構築につながります。
X線を用いた検査手法には、二次元の「透視画像」を取得するものと、三次元の「CT画像」を再構成するものがあります。どちらも焦点サイズが画質に与える影響の原理は同じですが、CTの場合は被写体を回転させながら数百枚から数千枚の連続画像を撮影するため、焦点の安定性やシステム全体の精度がより厳密に求められます。
立体的に内部構造を把握したい場合と、スピーディーに平面的な透過画像を確認したい場合とでは、装置に求められるスペックが変わってきます。両者の違いや活用シーンについては、こちらの記事も参考にしてください。
産業用CTにおける焦点サイズは、画像の解像度やボケ(幾何学的不鮮明さ)に直結する重要なスペックです。高精細な画像を得るためには焦点サイズの小さいモデルが有効ですが、被写体の材質や厚みに合わせて適切な出力(管電圧)とのバランスを見極める必要があります。
当メディアでは、検査したい対象物や目的に合わせて、独自の視点で産業用CTメーカーを調査・ピックアップしています。焦点サイズや管電圧といったスペック面も踏まえ、導入の検討材料として合わせてご確認ください。
✓ 導入未定でも大歓迎です。
まずは「どんな風に見えるか」お試しください。

| 最大管電圧 | 100kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ151×H63~82mm |
| 耐荷量 | 約10kg |
| 本体サイズ | 623×310×300mm |

| 最大管電圧 | 225kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ615×H800mm |
| 耐荷量 | 50kg |
| 本体サイズ | 3700×1810×2440mm |

| 最大管電圧 | 450kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ600×H800mm |
| 耐荷量 | 100kg |
| 本体サイズ | 2250×1770×2350mm |
電話番号は公式サイトに記載がありません
※1:撮影サイズについては、NAOMi-CT・UX50は「最大スキャンサイズ」、ZEISS METROTOMは「精度保証条件下での測定範囲」を掲載しています。
※数値はいずれも撮影・測定条件により変動しますので、詳しくは各社にお問い合わせください。
※2:NAOMi-CTは、Mサイズ、Lサイズ、スライドLの3種類があります。