非破壊検査を行うにあたり、求められる資格はあるのでしょうか。ここでは、資格の詳細について解説します。
非破壊検査では放射線や超音波といった技術を用いて検査を行う形なるため、専門的な知識が必要とされます。その知識を有していることを証明するのに資格が必要です。
民間資格である「非破壊試験技術者資格」が社団法人日本非破壊検査協会によって認定されています。
非破壊試験技術者資格は、レベル1、レベル2、レベル3の3種類です。レベル1が最も難易度が低くなります。
どの資格を取得するのかによってできることが変わるので、確認が必要です。
各レベルで一次試験(筆記試験)と二次試験(実技試験)が行われることになります。どちらにも合格しなければなりません。合格基準は、一次試験はすべての試験で70%以上取得、二次試験はすべての試験で80%以上取得する必要があります。
試験は、一次試験が春期は3月、秋期が9月に行われます。二次試験は春期が5月~6月、秋期が11月~12月です。
申し込み期間は春期が1月下旬~2月上旬、秋期が7月下旬~8月上旬となっています。なお、不合格となった場合は1回のみ次回行われる試験を再試験として受験可能です。
非破壊検査技術者資格は、希望者であれば誰でも受けられるものではありません。受験資格が定められています。
まず、近方視力検査、色覚検査といった視力検査を受ける必要があります。その結果、近方視力では規定の文字が30cm以上離れて読めること、色覚ではNDT方法に関する色彩のコントラストを識別し得ることが条件です。
試験は12種類の試験技法(NDT方法)ごとに行われることになるのですが、レベル1~3までそれぞれレベルごとに要求される最小限の訓練時間を満たしておかなければなりません。
例えば、レベル1の場合、RT・UT・ET・TTであれば40時間、MT・PT・STであれば16時間、UMは20時間、MY・ME・PDは8時間、LTは24・48時間と定められています。
また、新規認証申請に必要な経験月数も定められているので、確認しておきましょう。
レベル1の場合、RT・T・ET・TT・LTは3ヶ月、UMは2ヶ月、MT・PT・ST・MY・ME・PDは1ヶ月です。
なお、訓練の有効期限は5年間となっているため注意が必要です。
非破壊検査技術者資格を取得するにあたり、独学で学んで取得を目指すことも可能です。ですが、講習会を積極的に活用すると良いでしょう。
資格の認定を行っている社団法人日本非破壊検査協会では、教育活動として教育センターを設置して講習会を行っています。
技術部門別定期講習会の開催時期は春が4月~7月、秋が10月~1月となっており、東京、大阪で開催されます。1回あたり17~24部門の講習会で、有資格者や学識経験者による指導・訓練が受けられるのが特徴です。
また、各種実技機材を使用した基本実技の訓練にも参加できます。
独学での勉強だけだと実技に不安を感じてしまう方も多いので、ぜひ活用してみると良いでしょう。