環境・リサイクル分野において産業用CTを活用し、非破壊での内部観察や研究の精緻化を実現した事例を紹介します。インフラ設備の老朽化評価や、新素材・リサイクル研究における課題解決のヒントとしてお役立てください。
信州大学工学部では、土系舗装における凍結融解メカニズムの解明に産業用CTを活用しています。従来は融解後の破片から劣化状態を推測するにとどまり、評価の鍵となる凍結中の内部挙動は把握できていませんでした。
CTの導入により、試験体を凍結させたまま容器ごとスキャンすることが可能になり、内部のクラックや剥離の発生プロセスを直接観察する環境を構築。凍結・融解時の内部構造の変化を三次元で可視化することで、凍害研究の解明に大きく寄与しています。
環境対応に向けた自動車部品の軽量化に伴い、発生が懸念される鋳造欠陥を早期発見するため、スズキは大型部品の透過が可能な1MVクラスの高エネルギーX線CT装置を導入しました。
従来の原因究明には部品の切断検査が不可欠でしたが、非破壊での内部形状の三次元モデル化が可能に。取得したスキャンデータと設計値との差異を解析工程へ素早くフィードバックすることで、開発サイクルの短縮と検査品質の向上を両立させています。

インフラ構造物の安全性評価に向け、鉄筋コンクリート内部のクラックや空隙を非破壊で検査する目的でX線CT装置を活用したケースです。
高出力スキャンによる内部の三次元観察を通じ、重大な損傷や劣化に繋がる雨水侵入の要因となるボイドやクラックを直接確認できる体制が整いました。これにより、インフラ部材の劣化リスクの早期発見と、客観的データに基づく安全評価が実現しています。
環境・リサイクル分野では、外観からは確認できないコンクリート内部のクラックや、温度変化に伴う素材の挙動などを非破壊で評価する目的で産業用CTが活用されています。対象物の状態を維持したまま三次元データ化できるため、経時変化の正確なモニタリングやインフラ部材の劣化リスクの早期発見に大きく寄与します。
従来の破壊検査や目視評価に限界を感じ、根拠に基づく高精度な解析データを求めている研究機関や評価現場において、産業用CTは有効なアプローチとなります。
ただし、コンクリートのような高密度・複合材質の対象物において、アーチファクトを抑えて鮮明なデータが得られるかを実証するためには、事前のテスト撮影が重要です。以下の記事では、撮影対象別に適した産業用CTをまとめているので、装置の比較検討にお役立てください。

| 最大管電圧 | 100kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ151×H63~82mm |
| 耐荷量 | 約10kg |
| 本体サイズ | 623×310×300mm |

| 最大管電圧 | 225kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ615×H800mm |
| 耐荷量 | 50kg |
| 本体サイズ | 3700×1810×2440mm |

| 最大管電圧 | 450kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ600×H800mm |
| 耐荷量 | 100kg |
| 本体サイズ | 2250×1770×2350mm |
電話番号は公式サイトに記載がありません
※1:撮影サイズについては、NAOMi-CT・UX50は「最大スキャンサイズ」、ZEISS METROTOMは「精度保証条件下での測定範囲」を掲載しています。
※数値はいずれも撮影・測定条件により変動しますので、詳しくは各社にお問い合わせください。
※2:NAOMi-CTは、Mサイズ、Lサイズ、スライドLの3種類があります。