医学・動植物研究分野における産業用CTの導入事例を紹介します。特別天然記念物の三次元データ化や微細な骨格構造の解析、大量標本の自動スキャンなど、非破壊による高精度な内部解析の活用実績をまとめました。学術研究やアーカイブ構築のヒントとしてお役立てください。

大分県宇佐市が保管する特別天然記念物のオオサンショウウオに対し、ミリフォーカスCTを用いたスキャンを実施した事例です。分割撮影したデータを結合するイメージング機能により、全長731mmに及ぶ個体全体の三次元データ化を実現しました。
生成された立体データから内部構造を観察し、消化管に残っていたカエルの骨格などを解剖することなく特定。取得したデータは汎用フォーマットへ変換され、教育機関における実物大の立体模型製作など、多角的な用途で活用されています。

基礎医学研究に用いられるウシ海綿骨をスキャンした事例です。微細な骨梁構造まで鮮明に描出できるマイクロフォーカスX線CTを使用しています。
従来の非破壊検査ではアプローチが困難であった複雑な多孔質構造を、約30分という短時間で三次元データ化。取得したボリュームデータは解析ソフトウェアに取り込まれ、超音波伝播特性などを検証するシミュレーション研究に生かされています。

ロンドン自然史博物館において、動植物や化石など多岐にわたる膨大な標本を、オートローダー(自動搬送装置)搭載のCTでスキャンした事例です。
複数の対象物を順次搬送する機能により、夜間や週末を利用した無人での連続スキャン体制を構築しました。
時間のかかる高解像度撮影においても十分な処理能力を確保し、貴重なコレクションのデジタルアーカイブ化を推進。1カ月平均で約100品目のスキャンを実現し、研究活動の効率化と包括的なデータベース構築に貢献しています。
医学・動植物研究における産業用CTは、貴重な生体標本や化石を解剖・破壊することなく、内部構造を精密な三次元データとして保存・解析する目的で活用されています。微細組織の迅速なモデリングや、自動搬送機能を活用した無人での連続スキャンなど、研究業務の省力化とアーカイブ構築の効率化が可能です。
従来の解剖や外観観察に限界を感じ、対象物を維持したままでの高精度な内部解析を求めている研究現場において、産業用CTの導入は非常に有効なアプローチとなります。
ただし、研究対象となる生体組織や材質の密度差を正確に描出できるか、実際の標本で研究目的に見合う鮮明なデータが得られるかを実証するためには、事前のテスト撮影が不可欠です。以下の記事では、撮影対象のサイズや特性別に適した産業用CTを整理していますので、装置の選定にお役立てください。

| 最大管電圧 | 100kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ151×H63~82mm |
| 耐荷量 | 約10kg |
| 本体サイズ | 623×310×300mm |

| 最大管電圧 | 225kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ615×H800mm |
| 耐荷量 | 50kg |
| 本体サイズ | 3700×1810×2440mm |

| 最大管電圧 | 450kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ600×H800mm |
| 耐荷量 | 100kg |
| 本体サイズ | 2250×1770×2350mm |
電話番号は公式サイトに記載がありません
※1:撮影サイズについては、NAOMi-CT・UX50は「最大スキャンサイズ」、ZEISS METROTOMは「精度保証条件下での測定範囲」を掲載しています。
※数値はいずれも撮影・測定条件により変動しますので、詳しくは各社にお問い合わせください。
※2:NAOMi-CTは、Mサイズ、Lサイズ、スライドLの3種類があります。