食品業界 産業用CT導入事例

食品業界において産業用CTを導入し、未開封状態での微小異物の特定や、内部構造の高精度な三次元解析を実現した事例を紹介します。食の安全と品質管理を向上させるヒントとしてお役立てください。

島津テクノリサーチの産業用CTを
活用した事例

香辛料三種の内部比較検証

ブラックペッパーの任意断面の3D画像
引用元:島津テクノリサーチ公式HP
https://www.shimadzu-techno.co.jp/technical/tes/x_ray_8.html

1粒の直径が約4mmの香辛料(ブラックペッパー・ホワイトペッパー・ピンクペッパー)を非破壊で観察した事例です。ブラックペッパーとホワイトペッパーの中心には約1mm弱の空洞があり、周囲に約60μm程度の微小な空隙が多数存在することを確認。

両者が類似した内部構造を持つ一方で、ピンクペッパーにはより大きな空洞が見受けられ、品種ごとの違いが鮮明になりました。対象物をそのまま三次元で可視化することで、空隙の大きさや分布の容易な比較・評価に繋げています。

キャンディ内部の気泡解析事例

キャンディーの空隙の大きさによる色別表示
引用元:島津テクノリサーチ
https://www.shimadzu-techno.co.jp/technical/tes/x_ray_8.html

棒付きキャンディを産業用CTでスキャンし、非破壊で内部の気泡分布を解析し、検出した空隙をサイズごとに色分け表示し、気泡の分布状態を三次元的に可視化。製品の全体像とあわせて評価することで、食感や品質に影響を与える内部構造の特徴や、空隙のばらつきを定量的に把握する手段として活用されています。

JMCの産業用CTを活用した事例

未開封原材料内の異物を非破壊で特定

粉末材料のサンプル撮影画像
引用元:JMC
https://www.jmc-ct.jp/case/case06/

粉末原材料への異物混入が疑われる際、未開封のまま短時間で検査・検出を行う必要がありました。

産業用CTを活用することで、包装を開けずに内部を三次元可視化し、金属片や樹脂片などを明確に検出。異物の位置や形状に加え、X線吸収率によるコントラスト情報から材質の推定まで可能となり、迅速な原因究明と品質管理の高度化を支援しています。

まとめ:産業用CTは
未開封の食品内部を
立体的に分析できる

食品業界における産業用CTは、製品を未開封のまま内部の気泡分布や微小異物を特定する用途で効果を発揮します。従来の二次元X線検査では困難だった立体的な構造把握や、混入物の材質推定まで行えるのが特長です。

抜き取りによる破壊検査や従来のX線異物検査に限界を感じ、より確実で高精度な品質保証体制を構築したい現場にとって、産業用CTの導入は有力な選択肢となります。

ただし、自社の検査基準を満たせるか、実際の食品パッケージで包材のノイズ影響を受けずに鮮明なデータが得られるかを実証するには、事前のテスト撮影が不可欠です。以下の記事では、撮影対象別に適した産業用CTをまとめているので、装置の比較検討にお役立てください。

撮影対象物から探す
産業用CT3選
アルミなどの軽金属や
プラスチック成形品など
低密度で透過しやすいなら
NAOMi-CTシリーズ
アールエフ
NAOMi-CTシリーズ
画像引用元:アールエフ公式HP
(https://rfsystemlab.com/product/industry/ct/280_380ct.html)
NAOMi-CT
Mサイズのスペック※2
最大管電圧 100kV
撮影サイズ※1 Φ151×H63~82mm
耐荷量 約10kg
本体サイズ 623×310×300mm
おすすめの理由
卓上サイズでその場で撮影可能
低価格で導入しやすいモデル
  • 卓上サイズ・シンプルな設計により308万円(税込/Mサイズ)と導入しやすい価格。工事をせずに研究室や事務所に設置できる。
  • 簡単な操作でその場で撮影・確認が可能。100kVの管電圧によりアルミ・プラスチック製の商品開発や考古学研究に活躍。
マルチマテリアルや
複雑形状部品など
部分ごとに厚みや材質が異なるなら
ZEISS METROTOMシリーズ
カールツァイス
ZEISS METROTOMシリーズ
画像引用元:カールツァイス公式HP
(https://www.zeiss.co.jp/metrology/systems/x-ray/3d-x-ray/metrotom-800-320-kv.html)
ZEISS METROTOM
1500 225kVのスペック
最大管電圧 225kV
撮影サイズ※1 Φ615×H800mm
耐荷量 50kg
本体サイズ 3700×1810×2440mm
おすすめの理由
測定に特化した設計で
精密なCTスキャンができる
  • 測定室・品質管理室での運用を想定。密度が高めの異材質混在部品や精密部品の品質保証に特化。
  • 三次元測定やCADとの連携により、寸法・形状・幾何公差を測定が可能で、不具合の特定や開発期間の短縮につながる。
厚物金属や
溶接構造部品など
高密度で透過しにくいなら
UXシリーズ
コメットテクノロジーズ・ジャパン
UXシリーズ
画像引用元:コメットテクノロジーズ・ジャパン公式HP
(https://yxlon.comet.tech/ja/products-ja/ux50)
UX50のスペック
最大管電圧 450kV
撮影サイズ※1 Φ600×H800mm
耐荷量 100kg
本体サイズ 2250×1770×2350mm
おすすめの理由
高出力・撮影可能範囲が広く
大型・高密度のワーク撮影に強い
  • 工場内や検査エリアで扱われる大型・高密度な鋳物部品や厚肉構造物に対し、高電圧による高い透過力で内部撮影が可能。
  • 広い視野で大型のワークでも全体を一度に把握することができ、欠陥の位置関係の把握や厚肉・高密度部の状態確認に対応。

電話番号は公式サイトに記載がありません

※1:撮影サイズについては、NAOMi-CT・UX50は「最大スキャンサイズ」、ZEISS METROTOMは「精度保証条件下での測定範囲」を掲載しています。
※数値はいずれも撮影・測定条件により変動しますので、詳しくは各社にお問い合わせください。
※2:NAOMi-CTは、Mサイズ、Lサイズ、スライドLの3種類があります。