
産業用CTのX線検出器(ディテクタ)は、ワークを透過したX線を受け取り、画像データへ変換する役割を持つ部品です。フラットパネルディテクタ(FPD)やライン検出器、イメージインテンシファイア(I.I.)などがあり、それぞれ構造や画像取得方法が異なります。ただし、検出器の種類だけで、実際の画質や空間分解能が決まるわけではありません。ここでは、主なX線検出器の違いと、画素サイズや撮影範囲、撮影条件を含めて確認したいポイントを解説します。
産業用CTでは、X線源から照射したX線がワークを透過し、その強弱を検出器で取得します。ワーク内部の材質や厚みなどによってX線の減衰量が変わるため、その違いを検出して画像データとして記録します。
CTでは、異なる方向から取得した複数のX線投影画像を再構成することで3次元データを生成します。そのためX線検出器は、CT画像の元となる投影データを取得する重要な構成要素です。
X線検出器は、画素を平面状に配置して一度に2次元画像を取得する方式と、画素を直線状に配置して1次元のデータを順次取得する方式に大きく分けて考えることができます。
面検出器は平面上に並んだ多数の画素で2次元画像を取得します。一方、ライン検出器は直線状に並んだ画素で1次元の画像を取得し、対象物または撮影系を相対移動させながら順次データを取得することで画像を構成します。
フラットパネルディテクタ(FPD)は、2次元方向に多数の画素を配置し、X線の投影像を面で取得する検出器です。産業用X線CTでは、ワークを回転させながら多数の2次元投影画像を取得し、それらを再構成して3次元データを生成する方式で広く使用されています。
FPDには、画素サイズ、受光面サイズ、有効画素数、フレームレート、X線解像度、ダイナミックレンジなどの仕様があります。したがって、FPDを搭載しているという情報だけでは、実際の撮影性能を判断できません。装置全体の撮影条件と合わせて確認する必要があります。
ライン検出器は、画素を直線状に配置した検出器です。対象物または撮影系を相対移動させながら1ラインずつデータを取得し、それらを組み合わせて画像を構成します。
産業用CTでは、ライン検出器を用いたファンビームCTが採用される場合があります。ファンビームCTではワークを回転させて断面データを取得し、必要に応じて高さ方向へ相対移動しながら複数の断面を取得することで3次元データを構成します。
ライン検出器を用いたシステムには、大型・高密度のワークや高いX線エネルギーを使用する撮影に採用されている例もあります。ただし、ライン検出器だから大型・高密度ワークに適する、と一律に判断するのではなく、装置構成や検出器の仕様、撮影条件まで確認することが重要です。
イメージインテンシファイア(I.I.)は、入射したX線による像を増強し、カメラなどで画像として取得する方式です。産業用X線検査でも使用例があり、リアルタイムで透視画像を取得できるシステムがあります。
一方、I.I.では構造上、画像に歪みが生じる場合があるため、画像計測などでは補正が必要になることがあります。そのため、応答性や感度だけでなく、必要な画像精度や用途まで含めて確認することが大切です。
X線検出器を比較する際には、画素サイズ(ピクセルピッチ)も確認項目のひとつです。一般に、検出器上でどの程度細かくX線像をサンプリングできるかに関係します。
ただし、検出器の画素サイズ=実際の空間分解能ではありません。産業用CTの空間分解能には、X線源の焦点サイズ、幾何学倍率、検出器、装置の安定性、撮影条件など複数の要素が関係します。
そのため、画素サイズの数値だけで装置を比較するのではなく、実際の撮影ジオメトリでワーク側にどの程度のサンプリングサイズが得られ、目的とする構造を識別できるかまで確認する必要があります。
産業用CTの「空間分解能」と
「コントラスト分解能」の違い
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検出器では、画素サイズだけでなく受光面の大きさや画素数も重要です。受光範囲と幾何学倍率の組み合わせによって、ワーク側で一度に撮影できる範囲が変わります。
細かな構造を大きく投影するために倍率を高めると、ワーク側で確認できる視野は狭くなります。そのため、細かく見たい範囲と、一度に撮影したい範囲の両方を整理して検出器と撮影条件を確認することが大切です。
産業用CTを比較する際は、FPD・ライン検出器といった方式名や画素数だけではなく、実際のワークを撮影する条件で必要な画像が得られるかを確認することが重要です。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 撮影方式・検査目的 | CTによる3次元撮影なのか、2次元透視なのか、また必要な撮影速度や画像精度など、検査の目的を整理します。 |
| 必要な撮影範囲 | ワーク全体の大きさと確認したい範囲を整理し、検出器の受光範囲と倍率の組み合わせで必要な視野を確保できるか確認します。 |
| 画素サイズ・X線解像度 | 検出器の画素サイズだけで判断せず、倍率や焦点サイズなどを含めたシステム全体で目的の構造を識別できるか確認します。 |
| 感度・ノイズ・撮影速度 | フレームレートや感度、ノイズ、ダイナミックレンジなどの仕様を、必要な撮影時間や画像品質と合わせて確認します。 |
| 実ワークでの見え方 | 可能であれば実際のワークや同等のサンプルを撮影し、使用する管電圧・倍率などの条件で目的とする構造を識別できるかを確認します。 |
高精度な撮影を目的として装置を比較する場合は、検出器の種類や画素数だけではなく、焦点サイズ、倍率、撮影範囲、撮影条件まで含めて確認することが重要です。細かい検査・高精度な検査に対応する産業用CTを比較したい方は、以下のページも参考にしてください。
産業用CTのX線検出器には、FPDなどの面検出器、ライン検出器、I.I.などがあり、それぞれ画像の取得方法や特性が異なります。ただし、検出器の種類や画素サイズだけで装置全体の撮影性能が決まるわけではありません。
装置を比較する際は、撮影目的、ワークサイズ、必要な視野、画素サイズ、感度、撮影速度などを整理し、焦点サイズや倍率も含めた実際の撮影条件で目的の構造を識別できるか確認することが大切です。
当メディアでは、検査したい対象物や目的に合わせて産業用CTメーカーを紹介しています。検出器や焦点サイズ、管電圧といったスペック面も踏まえ、導入の検討材料として合わせてご確認ください。
✓ 導入未定でも大歓迎です。
まずは「どんな風に見えるか」お試しください。

| 最大管電圧 | 100kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ151×H63~82mm |
| 耐荷量 | 約10kg |
| 本体サイズ | 623×310×300mm |

| 最大管電圧 | 225kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ615×H800mm |
| 耐荷量 | 50kg |
| 本体サイズ | 3700×1810×2440mm |

| 最大管電圧 | 450kV |
|---|---|
| 撮影サイズ※1 | Φ600×H800mm |
| 耐荷量 | 100kg |
| 本体サイズ | 2250×1770×2350mm |
電話番号は公式サイトに記載がありません
※1:撮影サイズについては、NAOMi-CT・UX50は「最大スキャンサイズ」、ZEISS METROTOMは「精度保証条件下での測定範囲」を掲載しています。
※数値はいずれも撮影・測定条件により変動しますので、詳しくは各社にお問い合わせください。
※2:NAOMi-CTは、Mサイズ、Lサイズ、スライドLの3種類があります。